1.8/3.5MHzは、ダブル・ダイポールを全長160mのループに変更してしばらく使った後、またダブル・ダイポールに変更していましたが、エレメントの下の木が成長してきて、やがては面倒なことになりそうだったので、もっとシンプルなアンテナに変更できないか考えていました。
昔のアンテナ・ハンドブックにマルチバンドで使えるエンド・フェッド・アンテナというのが載っています。
この記事は、3.5MHzからですが、理屈上はエレメントを倍に延ばせば、1.8MHzから使えるはずです。
問題はチューナーで、この記事にはバランス型の回路図が載っています。
移動運用では、自作のハシゴフィーダと下図のような普通のアンテナ・チューナーでオールバンド出ていたことがあるので、必ずしも、こういう回路図の物を使わなくてもチューンが取れる(SWRが下がる)ことは知っています。
あるときWebを検索していたら、MFJのBALANCE LINE TUNERというのを見つけました。
おなじところで、450 ohmのLADDER Lineも見つけたので、注文しました。コロナ禍で、アマチュア無線用品も納期が遅れていて注文から2か月以上かかって米国から送ってきました。
ダイポールを降ろして、太い電線を使ってあった3.5MHzのエレメントのほうを延長しました。
これは、結果的には良くなかったようで、センターポールの片側が約25m、反対側が約55mとアンバランスで、かつ電線が重いのでポールが長い側に引っ張られてしまいます。ポールの上端あたりに、ロープを結んで反対側にテンションをかけるようにして、少し補正しました。
岡の上でエレメントを固定するために、単管の土中にクロスで抜け止めをして立てました。
エレメントは滑車で引っ張っていますが、55mの電線(5.5SQ KIV)は、非常に重いです。かなり風圧もかかると思うので心配です。
反対側の給電部です。なぜ、フィーダの片側はエレメントにつながっていなくてもよいのか理解できませんが、これで動作しています。フィーダは約25m使っています。
家が古民家なので土壁に穴を開けてフィーダーを引き込んで、部屋の中にチューナーを置いています。
1.8/3.5MHzについては、反射波がほぼゼロでチューンが取れます。100W入れても、PCなどに干渉は起こらないようです。まだ使い始めたばかりですが、飛びは前のダイポールと同じぐらいの印象です。国内など近距離は、もらうレポートが良くなり送るレポートが悪くなったような気がします。つんぼの大声状態なのかな?FT8でDXもそれなりにできます。
50MHzまでSWRは下がりますが、VerticalやR5と比べると受信が弱くノイズレベルが上がるというか、ノイズレベルがスコープでも目に見えて上がるので信号が埋もれるみたいです。24MHzなどではR5より受信強度が、かなり落ちるのですが、呼んでみると同じぐらいのレポートで拾ってもらえるのが不思議です。10MHz以上だと、パワーを上げていくとPCに干渉が始ってサウンドボードがリセットされたり、LCDモニタのスピーカーがうなったりします。部屋のなかのフィーダーからも電波が出ているようです。フェライトコアを配線にいくつもかませたら改善されました。
20220307追記:
ポールが片側に引っ張られているのが気になってしかたありませんでした。チューナーで調整できるため、太い銅線でバンド幅をかせぐ必要はないので、長い方のエレメントを160mに使っていたアンテナワイヤーに取り替えました。
重量的には、1/3以下になったと思います。前より少ないテンションでもワイヤーを高く保持できます。精神安定的にもとても良いです。
20220313追記:
一週間ほど使ってみました。1.8, 3.5, 7, 10, 24MHzの運用だと、従来のアンテナより良い印象です。ノイズレベルが上がって、FT8の相手局の信号強度が下がりますが、呼んでみると意外に応答があって、もらうレポートも良いです。ときには、10DB以上もらうレポートが良いことがあります。ただし、いくら呼んでもとってもらえない(電波が届いてない?)局は、まだかなりいます。パワーは、50Wぐらいに押さえていることが多いですが、なんででしょうかね?
20220405追記:
一か月使いました。チューニングがかなりシビヤです。雨がしとしと降りだして、ふと見ると反射波が増えていることがあります。雨がやんで空気が乾いてきても同じです。
3.531MHzと3.573MHzですでにチューニングをとりなおす必要があります。
7, 10, 14はVerticalより飛びます。14~28もR5より飛びます。6Mはノイズが激しくてさすがに、2eleのHB9CVのほうが良いです。